【スカイレジェンド】ポケカにおけるハンデスデッキを考察する【ムサシとコジロウ】
4月26日(金)発売のポケカ新弾“スカイレジェンド”
この前の記事にまとめた注目カード群でも紹介しましたサポート“ムサシとコジロウ”のSRイラストが昨日、Twitterで流れて話題になっていました。
アニポケでおなじみのムサシとコジロウに、きちんとニャースまで入っているイラスト。ぜひ手に入れたいものです。
さてさて。もうご存知の方も多いと思いますが、このサポート、かなり特殊な効果を持っているカードなのです。
ムサシとコジロウ
サポート
おたがいのプレイヤーは、それぞれ自分手札を、2枚トラッシュする。(トラッシュは相手から行う。手札がないプレイヤーはトラッシュしない)
自分も相手も手札を2枚捨てないといけません。ポケカではあまり見られませんが、相手の手札を削って、プレイの選択肢を狭めていく戦略、またはそのデッキタイプを“ハンデス”と呼びます。このカードに書かれているテキストだけでは、平等なディスアドバンテージですが、使う側は使用のタイミングを決められる分有利であります。
しかもこのカードには、独特のデザイナーズコンボ(製作者“公式側”が「組んで使ってください」と分かりやすく明示したカードの組み合わせ。カード名が具体的にテキストに指名されていることが多い)があります。
マタドガス
1進化ポケモン 超 HP120 弱点:超 抵抗力:なし にげる:3
【特性】ホワイトホール
自分の番に、このカードが「ムサシとコジロウ」の効果でトラッシュされたとき、1回使える。相手は自分自身の手札を、1枚トラッシュする。(トラッシュするのは「ムサシとコジロウ」の効果のあと。)
【ワザ】無 たいあたり 40
アーボック
1進化ポケモン 超 HP120 弱点:超 抵抗力:なし にげる:2
【特性】いまわのもよう
このポケモンが、相手のポケモンからワザのダメージを受けてきぜつしたとき、相手の手札からオモテを見ないで、2枚トラッシュする。
【ワザ】超無無 ロケットテール 50+
自分のトラッシュに「ムサシとコジロウ」があるなら、80ダメージ追加。
マタドガスは、“ムサシとコジロウ”使用時に、手札のこのカードを自分が捨てることによって、さらに相手に1枚の追加トラッシュを要求するカード。自身は重要なカードを切る枠を削れるので有利に、相手は3枚ものカードを落とす必要が出てきてかなり手痛いです。
アーボックは、“ムサシとコジロウ”がトラッシュにあることでワザの打点が上がりますが、何より注目したいのは、このカードもハンデス効果を持っているということ。きぜつするときに相手の手札を2枚持っていくのはなかなか強烈なはずです。
さてさて、この手札破壊効果をコンセプトに、実戦投入に堪えるデッキは作れないでしょうか。
ひとつ前の新弾で、ドンカラスGXというポケモンが収録され、発売前から少し話題になりました。妨害系の特性と、強力なハンデスワザをGXで打てたからです。
ドンカラスGX
1進化ポケモン 悪 HP210 弱点:雷 抵抗力:闘 にげる:2
【特性】よるのしはいしゃ
このポケモンがバトル場にいるかぎり、相手は手札から、「ポケモンのどうぐ」「特殊エネルギー」を出してつけられず「スタジアム」も出せない。
【ワザ】悪無無 フェザーストーム 90
相手のベンチにいる「ポケモンGX・EX」2匹にも、それぞれ30ダメージ。
【GX】無無 アンフェアGX
相手の手札を見て、その中にあるカードを、2枚トラッシュする。
グッズ“やみのいし”によるいきなり進化もあって、使いやすいポケモンでありましたが、このデッキもなかなか上位には上がってきませんでした。
このように、ポケモンカードゲームでは、手札破壊だけではなかなか勝てない現状があります。
ポケカの世界で、これまでハンデスタイプのデッキがあまり普及していなかったのには幾つか背景がありそうですが、私の思いつく限りでは
① そもそも相手の手札を落としにいくテキストのカードが少ない。
② ドロー系のサポートや特性が充実しているので、手札が少ない状況からも回復しやすい。
ということが挙げられます。どちらかというと②があるから①なのかもしれません。1枚のトレーナーズで解決されてしまうことが多いですからね。
あとは、
③ 相手の手札を減らしたところで、こちらもデッキを回していかなければ勝てない。
という側面も考えられます。これまでハンデス効果のあったカードはたいがいサポートです。1ターンに1度しか使えないサポートをそこに振ることで、自分自身がカードを引いたりサーチしたりする機会も減り、勝ちに向かうための展開がしにくくなります。なるほど、よく分かります。
しかし、現環境でも一定の存在感を示しているサーナイト&ニンフィアGXが強い理由の一つには、強力な勝ち筋として追加エネルギーGXワザによる、相手の手札をすべて山札に戻してしまう効果があるからです。
手札が無の状態では、次のトップドローにすべてをかける必要があり、ここでドロサポを引くなり何なりしないと盤面が止まったまま持っていかれます。そのときにはサナニンフにエネルギーが6つもついている状態なわけですから、もうおよそ決着はついたようなものなのです。
このように、手札破壊効果が弱いわけはないのです。ただ、それだけでは勝てないということなのです。“スカイレジェンド”で、このようにハンデスカードのバリエーションが揃った今、何か新しいタイプのデッキを作ることはできないでしょうか。
今のところ、私が考えているのは、これら“ムサシとコジロウ”がらみのハンデスカードと“ダストダス”を組み合わせるデッキです。
ダストダス
1進化ポケモン超 HP120 弱点:超 抵抗力:なし にげる:3
【ワザ】超 ゴミなだれ 20×
相手のトラッシュにあるグッズの枚数×20ダメージ。
【ワザ】超無無 アシッドボム 70
コインを1回投げオモテなら、相手のバトルポケモンについているエネルギーを、1個トラッシュする。
SMレギュ中、長期にわたって活躍しているカード。相手のトラッシュに積まれたグッズの数だけ火力が上がっていき、ゆくゆくは1エネで120や160くらいをバンバン出してくるカード。これをハンデスと組み合わせるのです。
つまり、手札を削ることから相手の行動を制限すること+直接トラッシュにグッズを送ってダストダスの火力を上げていくこと、というハンデスの副効果を生み出していくのです。
アーボックやマタドガスと組むことは
① ミステリートレジャーを共有でき、展開が容易。
② 非GX超ポケモンが倒されていくので、マツバによる擬似ハンデスを使いやすい。
という利点があります。
“ムサシとコジロウ”の2枚(ないしは3枚)落としに加え、アーボックの特性もあれば、1勝負の中に2回以上相手の手札を0枚にすることが割と現実的に可能でしょう。手札0枚の状況から運よく回復されたとしても、同じゲームの中でまた手札全落としを狙うことができます。
サポート権を使わずにドローできるムウマ・ムウマージラインだって超ポケモンだから入れやすいですし、マチスの作戦を能動的に打って行ければ、ハンデスとドローを同時に行うことも可能です。枠があればドンカラスラインも入れて“やみのいし”も共有できます。なかなか軸のあるデッキが作れそうですね。
それに、ダストダスがいれば、ハンデスの目的は相手の行動制限のみにあらず、後半の捲りにもうまく働きます。序盤はともかく相手の動きを止めつつトラッシュのグッズを肥やし、後半からダストダスを見せて相手ポケモンを殴っていくという流れが形成できます。
どうでしょう。ポケモンの枠といい、トレーナーズの選び方といい、構築上の難しさはありますが、それなりにコンセプトのたったデッキができそうですね。
“スカイレジェンド”が発売されたら、私はまずこのタイプのデッキを作って実戦投入したいと思います。