【タッグボルト以降】ウルトラネクロズマデッキ考察【ウルネク】
続々と新弾が登場するなかで、マイナーチェンジを繰り返しながら、いつの時期も環境トップに食い込んでくるデッキがあります。
そう、ウルトラネクロズマGXを使ったデッキ。通称「ウルネク」ですね。
最近もまた、CL新潟マスターリーグでの準優勝、タッグボルト以降も「トキワの森」を挿した構築でより一層安定感を増しての参戦で、数々のジムバトル優勝報告が上がっています。
今後またすぐに新弾が発売され、状況は変わりますが、自身の勉強も兼ねてここで一旦まとめてみようと思います。自分自身があまりウルネクを組んだことがなかったので、考察に独りよがりが出ないよう、Twitterに挙がっている情報をもとにデッキレシピを比較検討しました。
【調査方法】“デッキ平均化”
タッグボルト発売以降、ジムバトル優勝やシティリーグ入賞などでTwitterにデッキレシピが挙げられているものから無作為に20サンプルを抽出し、各デッキパーツの平均搭載枚数を求めた。
エクセルにチビチビ枚数を打ち込んでいく作業はなかなか地味でした。が、意外とテンプレ化されていない搭載枚数の機微に、使用者の性格やプランニングなどが垣間見えて、単なる数字以上のものがありました。
それでは調査結果に移ります!!
【ポケモン編】
ほぼすべてのデッキで採用されていたもの
・ウルトラネクロズマGX 平均採用枚数:2.1枚
このデッキのメインアタッカー。実はそんなに枚数が積まれておらず、ほぼすべてのデッキで2枚採用でした。たねUBアタッカーとして同ポジションのズガドーンGXとは趣を異とする感じですね。バトル場に来てもすぐに殴れないからでしょうか。
・マーイーカ+カラマネロライン 平均採用枚数:4枚+4枚
このデッキのシステムポケモン。カラマネロ複数体をどれだけ定常運転させていられるかがポイント。これはどのデッキでも見事に4-4でした。これで間違いはなさそうです。
・ギラティナ 平均採用枚数:1.8枚
これもよく見かけるパーツですよね。非GXのサブアタッカーとして130ダメージが出せるのと、特性による10ダメージ調整が地味に強力。ロストマーチ同様、現在では多いジラーチについても、ウルネクのGXワザと組み合わせて2体同時に落とすことができます。多くのデッキで2枚採用でした。
・ジラーチ 平均採用枚数:2.1枚
ダークオーダー発、今のウルネクの必須パーツです。ウルネクを下げている間に特性「ねがいぼし」で戦略の幅を持たせ、スケボーでバトンタッチ。強いです。ウルネクを下げる手段として、多くのデッキでポケモンいれかえが複数枚採用されています。
・カプ・テテフGX 平均採用枚数:1.1枚
ベンチ、デッキともに枠の問題でしょうが、テテフは1枚積みが大半でした。ジラーチの「ねがいぼし」で何とかなる場面も多いのでしょう。薄く積んでいても、このデッキにはミステリートレジャーがあるのでサーチが容易いという利点もあります。なるほどね。
デッキによれば採用されていたもの
・ネクロズマあかつきのつばさGX 平均採用枚数:0.4枚
エネルギーを放出したウルトラネクロズマGXがベンチに戻ってサイコリチャージを受けられるように、特性インベンジョンで逃げエネなしで前に出てくるポケモン。XYレギュ時代は「かるいし」なるマジックグッズがあったため、確実にこのポケモンが採用されていました。が、今ではその恩恵を受けられず、月輪の祭壇で代用する形に。しかしそれもまた、前に出てくるべきポケモンがジラーチwithエスケープボードに変わったこと、並びに採用スタジアムの筆頭がトキワの森に変わったことから、すっかり日陰に入ってしまうことになりました。しかしいまだに1枚挿しで採用されているデッキがあり、この平均採用枚数となっています。やはり勝手が良い特性と、いつでも使うわけではないウルネクのGXワザにとって代わる本ポケモンのGXワザ「イクリプスムーンGX」がかなり強力なことが理由でしょう。
・マーシャドーGX 平均採用枚数:0.4枚
タッグボルト以降、結構見るようになったのが、このマーシャドーGX採用。ウルネクやギラティナがたねポケモンなので、トラッシュに落とせばワザを拝借できます。ここで強いのが、マーシャドーGX自身が闘タイプであるということ。現環境を席巻しているピカチュウ&ゼクロムGXや、汎用ポケモンであるゾロアークGXの弱点を突いて戦えます。まだまだメジャーではなさそうですが、すでにメタの一派として採用が検討されています。
・ゲンガ―&ミミッキュGX 平均採用枚数:0.5枚
軽いながらも高火力なタッグチームとして知られている“ゲンミミ”。ウルネクとの相性も良いです。先2後2から相手を縛れ、翌ターンに大ダメージを与えられるGXワザは強力です。こればっかりに枠を割いていられないので複数枚採用は難しいですが、一部のデッキでピン挿し採用されていました。
・マーシャドー(やぶれかぶれ) 平均採用枚数:0.2枚
個人的には意外だったのですが、最近のウルネクデッキにはジャッジマン含めハンド干渉カードが採用されていないorピン挿しで薄く採用のどちらかでした。マーシャドーもミステリートレジャーで呼べますが、ベンチ枠はカラマネロに開けておきたいところであるのと、マーシャドースタートだとかなり困ってしまうのとで、ほとんどのデッキで採用されていませんでした。
・シンボラーGX 平均採用枚数:0.3枚
これもまた一部のデッキのみですが、シンボラーGXのピン挿しが見られました。相手GXポケモンを差し違えることのできるプレッシャーカードです。うまく使えれば相手にとって嫌な存在になりそうですね。
【サポート編】
ほぼすべてのデッキで採用されていたもの
・リーリエ 平均採用枚数:3.6枚
多くのデッキで4積みとなっていました。なるべくテテフに頼らず、素引きからの初手8枚ドローを起爆剤としたいためでしょう。
・シロナ 平均採用枚数:1.8枚
一方で採用枚数が意外と少なかったのはこのシロナ。私みたいな初心者だと、思考停止で4枚入れたりしますが、もっと考慮の余地はあるということなのです。特に今は「エリカのおもてなし」もありますし。デッキによっては1枚もシロナが入っていないものもありました。中盤以降はサポート権を積極的にグズマに振っていくデッキであることも理由の一つでしょう。
・エリカのおもてなし 平均採用枚数:1.3枚
タッグボルトからの新ドロサポ。いつでも使えるわけではないことと、相手の盤面次第なところでもあるので、多くのデッキで1枚挿しでした。
・グズマ 平均採用枚数:3.3枚
一般的な使い方である相手のベンチを狙うこと、並びに本デッキではウルトラネクロズマGXの入れ替えという別の重要な働きもあります。すべてのデッキで3枚以上採用でした。まぁ、今のレギュレーションならどのデッキでもそうですよね。
デッキによっては採用されていたもの
・ジャッジマン 平均採用枚数:0.4枚
「一部のデッキでピン挿し」という感じでした。積極的に使うというよりは、相手のサーチを流したいという防御的背景によるものでしょう。グズマも打たないといけないし、特性でドローすることもできないので、なかなかジャッジマンにサポ権が回ってこないと思います。
【グッズ編】
ほぼすべてのデッキで採用されていたもの
・ミステリートレジャー 平均採用枚数:4.0枚
これはどのデッキでも4枚積みでした。カラマネロラインも、ウルトラネクロズマGXも呼べますからね。4積みしない理由がないです。序盤に超エネルギーを落とす役割も兼ねています。
・ハイパーボール 平均採用枚数:3.8枚
ほとんどのデッキで4枚積み。ごくごく一部のデッキで3枚採用、と言った形でした。ほぼすべてのポケモンをミステリートレジャーで呼べる中でさらにハイボを積めるので、毎ゲーム安定した盤面構築が可能になるのもこのデッキの強みですね。
・ネストボール 平均採用枚数:2.9枚
ジラーチだけはミステリートレジャーで手が届かないのを、これでノーコストで拾いに行くことができます。調査したデッキの中の半分程度がミストレ:ハイボ:ネスト = 4:4:4の厚いサーチでした。
・エスケープボード 平均採用枚数:2.4枚
ジラーチのギミックを動かすのに重要なパーツ。どのデッキでも2枚は採用、多くて3枚積みでした。ジラーチにつける他、不運なテテフスタートをケアする場面もあるはずです。
・ポケモンいれかえ 平均採用枚数:2.0枚
ウルトラネクロズマGXを上げ下げする手軽なグッズ。ほとんどのデッキで2枚採用でした。
・レスキュータンカ 平均採用枚数:1.0枚
調査したすべてのデッキで1枚採用でした。3体目のウルネクやカラマネロが落とされたときのリカバリーに使用できます。
・こだわりハチマキ 平均採用枚数:1.5枚
だいたいのデッキで2枚積み。デッキによれば不採用、といった感じでした。ウルネクの超エネ2枚トラッシュでゾロアークやルガルガンに打点が届くこと。ギラティナの特性と合わせてテテフに届くことなど、打点強化の意味合いは強いです。
デッキによっては採用されていたもの
・ダート自転車 平均採用枚数:0.8枚
これも一昔前まではたくさん積んでいた印象でしたが、今では搭載しているデッキのほうが少ないくらい、という調査結果でした。山札を掘っていけるし、超エネルギーは気軽にトラッシュできるので強力なのは間違いないですが、エスケープボードやポケモンいれかえに枠を割いている感じですね。
・ビーストリング 平均採用枚数:1.0枚
これも時代を感じさせます。CL新潟の準優勝デッキもそうでしたが、今では採用されていない型の方が多いのです。入れている人はみな2枚採用でした。
・エネルギースピナー 平均採用枚数:0.5枚
ウルネクがワザを打つのに鋼エネルギーを引っ張ってこないといけませんが、基本的にはデッキに3枚程度採用となっているので触りに行く工夫が必要です。XYレギュ落ち~タッグボルト以前まではこのエネルギースピナーに頼っているところが大きかったですが、今ではスタジアムのトキワの森でどうとでもなるので、少ない採用となっています。
・ぼうけんのカバン 平均採用枚数:0.2枚
ジラーチのギミックを確実に動かすためにスケボーを拾ってくる用途での採用が一部ありました。うまく使えると、どうぐ2枚サーチはかなり強いですよね。
【スタジアム編】
・トキワの森 平均採用枚数:2.5枚
今のウルネクはトキワの森に棲んでいるようです。薄い鋼エネルギーを確実に拾いに行けるのが強いです。
・月輪の祭壇 平均採用枚数:0.1枚
もはや完全に下火になってしまいました。入っていないデッキがほとんどでした。
【エネルギー編】
超エネルギー:鋼エネルギー:ビーストエネルギー = 6.9:3.1:0.8
圧倒的に多かったのが7:3:1の構成でした。鋼エネルギー3でも十分触りに行けます。ビーストエネルギーはすべてのデッキで採用というわけではありませんでしたが、多くのデッキで挿しこまれていました。エネルギーについてはこれが最適解なようです。
こんな感じの60枚でした。自分にとって意外な点も多かったです。
ちょうどこの1か月くらいウルネクとほとんど当たっていなかったので、思惑通りよい勉強になりました。自分が手に取る機会がなかったので、採用意図については推定のものも多いですが、それを考えるのもまたよい学習でした。
以前までのウルネクと比べることで、環境やカードプールに合わせて変化しているさまが手に取るように分かって面白かったです。
CL千葉でも確実にある程度のシェアを取ってくるデッキなはずです。環境考察する良い足がかりとなりました。今後もこの「デッキ平均化」で、様々なデッキを考察したいです。
【まとめ】
・ウルネクは2枚積み
・カラマネロラインは4-4
・ギラティナは2枚積み
・ジラーチはスケボーと合わせて2-2
・テテフはピン挿し
・サーチラインはミストレ・ハイボ・ネストそれぞれ4で普通
・とにかく初手リーリエ ドロソは厚くしすぎても仕方ない
・グズマ3、いれかえ2、スケボー2でいれかえ
・ビーストリングは必須ではない
・トキワの森を枠によって複数枚採用
・エネルギーは超:鋼:ビーストが7:3:1で安定