☆初心者ポケモンカード道☆

ポケカ社会人によるブログ。新弾情報や環境デッキ考察など、様々書いています。ブログ開始3年目!!どうぞたくさん読んでいってください!!

【優勝デッキ考察】ピカチュウ&ゼクロムGX【ピカゼク】

 一昨日、ウルトラネクロズマGXの記事を書きました。長い間環境に君臨している有名デッキですが、自分が組んだり握ったりしたことがなかったものですから、“デッキ平均化”と名付けた手法でジムバトルや大会優勝デッキを考察したのです。

 

www.mayucho.com

 

 データを収集して計数をとる作業はなかなか大変でしたが、苦労の甲斐あって、様々な発見のもと自身でも納得のいく構築ができ、またTwitterのフォロワー様を中心にたくさんの方にお読みいただくことができました。

 

 ウルネクの他にも同時に集めていたデータがあったので、今回も記事にまとめました。タイトルにあるように、このカードを中心としたデッキを考察したいと思います。

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 ピカチュウ&ゼクロムGX。通称“ピカゼク”ですね。

 WCSで発表されたTAG TEAMルールのパイオニアカード。日本ではチャンピオンズリーグ新潟直後の12月上旬に発売され、その後すぐのシティリーグで早速結果を残しました。

 他のTAG TEAMも強力ですが、そのなかでもとにかくピカチュウ&ゼクロムGXを軸としたデッキは強力で、その後も様々なジムバトルや大会で優勝をさらっていきました。

 ウルネクの記事で述べたことと同様、私はこのデッキにやられる一方の身で、自分が使ったことはほとんどありませんでした。昨年12月はなかなか勝てなかったのですが、そのうちの大半はこのピカゼクにやられました。

 そこで、自身のピカゼクに対する造詣が深くないから、ここでもまた数々のデッキサンプルを比較検討・平均化することによって知見を深めようというのが目的です。なので数字は客観的でも意図や背景は想像を多分に含むだろうということもお知りおきください。

 

 あともう1つ前置きを。

 

この記事の投稿は2019年1月11日です。新弾“ナイトユニゾン”の発売日です。そのパックにも“デデンネGX”や“電磁レーダー”のような、雷タイプを強プッシュするカードが登場するので、きっとまた構築トレンドが変わります。なので、来る環境考察について本記事は役に立たないのかもしれませんが、新弾以降どのように変わっていくかの変化の起点を捉えることもできるので、一旦ここでまとめてみます。どうか「無意味だ!」野次らないようよろしくお願いします。

 

 さてさて。前振りが長くなりすぎました。それでは本題に入ります。

 

 

【調査方法】

 タッグボルト発売以降、ジムバトル優勝やシティリーグ入賞などでTwitterにデッキレシピが挙げられているものから無作為に20サンプルを抽出し、各デッキパーツの平均搭載枚数を求めた。

 

 調査方法は前回の記事でウルネクを分析したときと同じ手法・標本サイズです。例によって、レシピを拾ってはコツコツとエクセルに入力していく地味な作業を続けました。採用背景を様々考えながら打っていく数字には、単なる数字以上の奥深さがあります。

 慣れてきたのもあって、順調に数は集まっていったのですが、そこであることに気づきます。

 それは、ウルネクの場合と違って、ピカゼクと一括りに言ってもいくつか系統が分かれてくるということなのです。

 ウルネクの場合はやりたいこともベンチ構成もほぼほぼ同一で、デッキ間で差があるのはある注目パーツが2枚採用なのか3枚採用なのか。それを平均化して考察するというアプローチが有効でした。

 しかし、ピカゼクはピカチュウ&ゼクロムGXというカードを動かすことに変わりはないのですが、その持っていきかたに幾つか差があるのです。そうやって系統が分かれているものたちで平均をとると、“平均”という像が少しかすんで見えるのです。

 

 具体的に例を題して説明します。

 

 6つのウルネクデッキがあって、あるカードが「3枚」「3枚」「2枚」「2枚」「1枚」「1枚」の採用でした → 平均採用枚数は「2枚」です。

 

 という「2枚」結論と

 

 6つのピカゼクデッキがあって、あるカードが「4枚」「4枚」「4枚」「0枚」「0枚」「0枚」の採用でした。 → 平均採用枚数は「2枚」です。

 

 という「2枚」結論だと意味合いが変わってくる、ということなのです。

 ピカゼクデッキのうち「4枚」採用していたデッキと、「0枚」採用していたデッキとでは分けて考えるべきでしょう、と言いたいのです。

 

そういうわけで、20サンプルを集めたのは集めたのですが、「搭載カードについてそのすべての平均をとる」という分析・議論の前に、「系統を分類する」ことを考えました。もうピカゼクを研究されている方には既知のことでしょうが、私にとっては詳しく知らないことなのでここでまとめてみます。

 

 またゴチャゴチャ話してしまいました。結論を急ぎましょう。20サンプルを調べた結果、ピカゼクは次のように3タイプに分けられました。

 

① ジラーチ採用型

② ジラーチ非採用型

③ レックウザGX採用型(ジラーチ非採用)

 

それぞれ見ていきましょう。

 

① ジラーチ採用型  20デッキ中7デッキ

 早いターンでのフルドライブを実現するのに、ジラーチのねがいぼしで必要なトレーナーズを揃える型。サンダーもともに採用されていて、必ずしも後攻1ターン目でフルドライブを打てなくとも、相手の出鼻をくじくことは可能になっています。今回の20デッキのサンプルのうち、7デッキがこのタイプでした。その7デッキを平均化したデータをざっと挙げると次のようになります。

 

〈ジラーチ採用型:平均デッキ構成〉(極少数の採用カードは省いています)

【ポケモン】

・ピカチュウ&ゼクロムGX 平均採用枚数2.3枚

・ゼラオラGX       平均採用枚数1.6枚

・サンダー         平均採用枚数2.1枚

ジラーチ         平均採用枚数3.3枚

・カプ・コケコ◇      平均採用枚数1.0枚

カプ・コケコGX      平均採用枚数0.7枚

・カプ・テテフGX      平均採用枚数0.7枚

・ライコウ         平均採用枚数0.1枚

・マーシャドー       平均採用枚数0.4枚

【サポート】

・シロナ          平均採用枚数1.6枚

・リーリエ         平均採用枚数1.6枚

・エリカのおもてなし    平均採用枚数0.4枚

・デンジ          平均採用枚数3.4枚

・グズマ          平均採用枚数3.9枚

【グッズ】

・ハイパーボール      平均採用枚数3.6枚

・ネストボール       平均採用枚数3.7枚

・エレキパワー       平均採用枚数4.0枚

・こだわりハチマキ     平均採用枚数1.6枚

・エネルギーつけかえ    平均採用枚数1.1枚

・ダート自転車       平均採用枚数1.1枚

・ポケモンいれかえ     平均採用枚数1.7枚

・あなぬけのヒモ      平均採用枚数1.1枚

エスケープボード     平均採用枚数2.4枚

【スタジアム】

・サンダーマウンテン    平均採用枚数1.0枚

・エーテルパラダイス保護区 平均採用枚数1.1枚

【エネルギー】

・基本雷エネルギー     平均採用枚数11.4枚

 

 総括すると……

 メインアタッカーのピカチュウ&ゼクロムGXは2枚採用が主流。

 システムポケモンであるジラーチは3枚から4枚採用が大部分で、エスケープボードは2枚採用が多く見られました。その他入れ替えグッズも複数採用されています。

 後に比較すると分かりますが、エネルギーつけかえの採用枚数は少なめになります。ジラーチ→(デンジ)→エネルギーつけかえのルートを太く考えているのか、はたまた、序盤はジラサンっぽく戦って、フルドライブは遅めからでもよいというスタンスなのか。最初の手札に応じて柔軟にゲームプランを立てられる強みはありそうです。

 ドロサポは思ったより細いですね。グズマやデンジの枠は譲れなさそうです。テテフは1枚もしくは非採用のデッキが目立ちました。これもジラーチで事故回避できることと枠取りの関係でしょうか。雷エネルギーは11~12枚。およそデッキの5分の1ですね。

 ピカゼクはそれほどベンチを広げないタイプのデッキでしょうから、ジラーチはほとんど邪魔にならないという相性の良さがありますね。なるほど。

 

次のジラーチ非採用型を見てみましょう。比較して見えてくる点もあります。

 

② ジラーチ非採用型 20デッキ中10デッキ

 ジラーチを採用せず、その分トレーナーズに余裕をあて、エネルギーつけかえを厚くしたり、ドロサポを厚くしたりして安定感を増させた型。今回の抽出ではその半数がこの形に該当しました。同様に平均構築を見ていきましょう。

 

〈ジラーチ非採用型:平均デッキ構成〉(極少数の採用カードは省いています)

【ポケモン】

 ・ピカチュウ&ゼクロムGX 平均採用枚数2.4枚

 ・ゼラオラGX       平均採用枚数2.1枚

 ・サンダー         平均採用枚数1.8枚

 ・カプ・コケコ◇      平均採用枚数1.0枚

 ・カプ・コケコGX     平均採用枚数1.1枚

 ・カプ・テテフGX     平均採用枚数1.9枚

 ・ライコウ         平均採用枚数0.9枚

 ・マーシャドー       平均採用枚数1.0枚

【サポート】

 ・シロナ          平均採用枚数2.3枚

 ・リーリエ         平均採用枚数3.0枚

 ・エリカのおもてなし    平均採用枚数0.9枚

 ・デンジ          平均採用枚数3.2枚

 ・グズマ          平均採用枚数3.7枚

【グッズ】

 ・ハイパーボール      平均採用枚数3.9枚

 ・ネストボール       平均採用枚数2.6枚

 ・エレキパワー       平均採用枚数4.0枚

 ・こだわりハチマキ     平均採用枚数2.6枚

 ・エネルギーつけかえ    平均採用枚数2.0枚

 ・ダート自転車       平均採用枚数1.6枚

【スタジアム】

 ・サンダーマウンテン    平均採用枚数1.0枚

 ・エーテルパラダイス保護区 平均採用枚数1.5枚

【エネルギー】

 ・基本雷エネルギー     平均採用枚数12.0枚

 

 総括すると……

 ジラーチとエスケープボードの枠が空くので、他のカードが厚く積まれています。分かりやすいのはドロサポ周りでしょうか。ダート自転車を厚く積む構築も目立ちました。

 また、対ミラーのサンダーに強くエネ加速もできるライコウの枚数もジラーチ型より増えています。要求枚数の観点から、これはこれで安定しそうです。

 エネルギーやスタジアムの採用枚数についてはそれほど差はなさそうですね。

 ①のものと一長一短ありでどちらも完成度の高いデッキになっています。

 

③ レックウザ採用型 20デッキ中3デッキ

 盤面にエネルギーを供給するのに、カプ・コケコ◇に加えさらに「しっぷうどどう」のレックウザGXを要員に加えた型。あらかじめトラッシュに雷エネルギーを落としておき、しっぷうどとう、レックウザについたエネルギーをつけかえで動かす形です。①、②よりも尖った構築になっています。

 

〈ジラーチ非採用型:平均デッキ構成〉(極少数の採用カードは省いています)

【ポケモン】

 ・ピカチュウ&ゼクロムGX  平均採用枚数3.0枚

 ・ゼラオラGX        平均採用枚数1.7枚

 ・サンダー         平均採用枚数0.7枚

 ・カプ・コケコ◇      平均採用枚数1.0枚

 ・カプ・コケコGX      平均採用枚数1.0枚

 ・カプ・テテフGX      平均採用枚数1.7枚

 ・ライコウ         平均採用枚数0.3枚

 ・マーシャドー       平均採用枚数0.3枚

 ・レックウザGX       平均採用枚数1.3枚

【サポート】

 ・シロナ          平均採用枚数1.3枚

 ・リーリエ         平均採用枚数3.3枚

 ・エリカのおもてなし    平均採用枚数1.0枚

 ・デンジ          平均採用枚数2.7枚

 ・グズマ          平均採用枚数3.0枚

【グッズ】

 ・ハイパーボール      平均採用枚数4.0枚

 ・ネストボール       平均採用枚数2.0枚

 ・ミステリートレジャー   平均採用枚数2.0枚

 ・エレキパワー       平均採用枚数4.0枚

 ・こだわりハチマキ     平均採用枚数2.0枚

 ・エネルギーつけかえ    平均採用枚数4.0枚

 ・ダート自転車       平均採用枚数1.6枚

 ・あなぬけのヒモ      平均採用枚数1.0枚

 ・エスケープボード     平均採用枚数0.7枚

【スタジアム】

 ・サンダーマウンテン    平均採用枚数1.0枚

 ・エーテルパラダイス保護区 平均採用枚数0.7枚

【エネルギー】

 ・基本雷エネルギー     平均採用枚数12.7枚

 

 総括すると……

 レックウザが増えた分、ポケモンも削らなくてはならなくなりました。また、レックウザを投入する動機がエネ加速そのものなわけですから、エネルギーつけかえもフル採用になってきます。となると削られたのはサンダー、ライコウの枠ですね。また、ミステリートレジャーがなじむことと、速攻フルドライブを何としても成功させるためのサポートサーチのためにテテフも厚く積まれています。まだ数は少ないようですが、面白みのある構築です。

 

 どのデッキにも間違いなく入っていたのは、サンダーマウンテン◇とカプ・コケコ◇でした。今の雷デッキの大黒柱ですね。また、平均化レシピには加えていませんが、これらの◇をサーチしてくるためのルチアを採用しているデッキもありました。

 

 途中長々とレシピの羅列が続きましたが、ともかくこんな感じです。いろいろ型があるデッキは研究し甲斐があって面白いですよね。ジラーチ型も非ジラーチ型もレック型も、どれも良さがあるので明確な序列が存在しないのが現状の模様。これが今日から発売される“ナイトユニゾン”でどう変わっていくのかが見ものであります。

 

【まとめ】

・タッグボルト現在、ピカゼクには①ジラーチ採用型 ②非ジラーチ採用型 ③レックウザ型の3種類がある。

・ジラーチ採用型は、ジラーチのギミック自体枚数をとること、並びにその特性によりトレーナーズを引っ張ってこれるから、現物は薄くなる。また、テテフの影も薄い。

・非ジラーチ採用型は、ジラーチ&スケボーの部分を広く使え、ドロサポを中心に現物を手広く積んでいる。

・レックウザ型は、エネ加速要員にレックウザGXのしっぷうどとうを使うこと、またそれをより確実に取り込むためにエネルギーつけかえを厚く採用している。確かに後1フルドライブの可能性が最も高く取れそうな構築である。

・この三者は同じピカゼク軸としても、かなり趣の違った出来である。新弾の登場でまた新たな型が生まれるかもしれない。