アローラキュウコンGXが招いた世界
「広がりのあるカード」という観点で、私の一番好きなカードは間違いなくこのカードです。
フェアリーライズで収録された、フェアリータイプのアローラキュウコンGXですね。
Twitterでこのカードの情報が流れだしたときに衝撃を受けたのを覚えています。
使いどころが様々あって、とっても面白いカードですよね。
カプ・テテフGXやゾロアークGXほどではないにしても、戦略的・構築的な広がりをもったこのカードによる「ふしぎなみちびき」に導かれて、様々な構築・プレイングが生まれました。この記事ではその一端を紹介したいと思います。
○ 特性「ふしぎなみちびき」
自分の番に、このカードを手札から出して進化させたとき、1回使える。自分の山札にあるグッズを2枚まで、相手に見せてから、手札に加える。そして山札を切る。
「グッズ2枚」の広がり、分かりますでしょうか?
多岐の効果に渡る様々なグッズを「進化させたとき」というある程度任意なタイミングで選んでこれるのです。
アローラキュウコンGXを特徴づけるこの強力な特性により、大きく強化されたり、新たに注目を浴びたりするようになったデッキがあります。1つずつ見ていきましょう。
- ① ソルガレオGX+アローラキュウコンGX
- ② サーナイトGX+アローラキュウコンGX
- ③ ジュナイパーGX+アローラキュウコンGX
- ④ デンリュウGX+アローラキュウコンGX
- ⑤ マッシブーンGX+ルガルガンGX+アローラキュウコンGX
① ソルガレオGX+アローラキュウコンGX
「ふしぎなみちびき」により「ふしぎなアメ」のサーチが容易になりました。アローラキュウコンGXによりすぐに想起されるのは、「ふしぎなアメ」を多用する2進化デッキでしょう。強力な2進化ポケモンとして、アローラキュウコンGXが発表されてから少しして脚光を浴びたのがこの「ソルガレオキュウコン」や「Wソルガレオ」と呼ばれる、ソルガレオGXとの組み合わせでした。
ソルガレオGXは2種類のカードタイプが存在し、どちらも強力な特性やワザを持っています。まず一つ目がこちらのソルガレオGX。
特性「ウルトラロード」は、自分が下がるときにも前に出るときにも使えます。またソルガレオGX自身を対象としなくてもよいという手軽さがあります。そして強力なのがなんといってもワザ「メテオドライブ」自身のエネルギー全トラッシュと引き換えに、ハチマキがなくても大概のGXポケモンをワンパンしていく圧倒的な火力を持っています。このエネルギー全トラッシュと、自身の特性、そして後述するもう一体のソルガレオGXと驚異的に噛みあいます。そして、1エネ起動のGXワザも、使った時点で盤面を大幅に強化できる、とても優れたものになっています。
そしてもう1枚のソルガレオがこちら。
ニコタマ対応のワザ「ターボストライク」は、トラッシュから2エネルギーを吸い上げて任意のポケモンを加速させます。「メテオドライブ」のソルガレオGXが高価力と引き換えにエネルギーを落とすも、翌ターンにウルトラロードを使って、「ターボストライク」のほうのソルガレオGXを出してワザを打ち、トラッシュからエネルギーを拾ってあげれば、その次のターンにまたウルトラロードで前に出て「メテオドライブ」を打つことができます。
そんな、重くて軽い強力ムーブのデッキ。これがなせるのも、アローラキュウコンGXによる2進化促進のおかげです。
② サーナイトGX+アローラキュウコンGX
フェアリーの可愛さが前面に主張されながらも、抜群の強さを誇り、フェアリーライズ発売後しばらくはジムバトルでもよく見かける型だったのがこの通称「サナコン」
立てば立つほど加速が捗るサーナイトGXをバンバン立てて、あわよくば超ブーストエネルギーでとんでもない火力アップを図れるのがこのデッキ。
フェアリーエネルギーで合わせているのでアローラキュウコンGXが添えられるデッキの中で、一番アロキュウが腐らないデッキでもあります。先2で「はくぎんのかぜ」を打って前のたねポケモンを飛ばしたり、「サブリメイションGX」でウルトラビースト相手に勝ち筋を見出せたりします。
こちらに詳しいページがあるのでぜひ!
③ ジュナイパーGX+アローラキュウコンGX
こちらも数を並べたい2進化GXでした。
フェザーアローで乗せたダメカンは数知れず。ジュナイパーGXですね!
SMレギュ以前のXYレギュでは「巨大植物の森」を使った高速進化でジュナイパーGXを複数体立てる仕様でした。ガマゲロゲEXと合わせた通称「ゲロジュナ」や、水タイプのアローラキュウコンGXと組み合わせた「キュウコンジュナイパー」などが、大型大会でも結果を残していました。
「巨大植物の森」のレギュレーション落ちにより下火になることが危惧されていましたが、そこで登場したのがこの妖アローラキュウコンGXなのです。「モリがないならアメをやればいいじゃない」と、マリーアントワネットも納得の構築が可能になりました。状況に応じて、水タイプのアローラキュウコンGXに進化させて氷の矢をベンチに打ち込むことも可能です。
④ デンリュウGX+アローラキュウコンGX
軽エネルギーで動けるデンリュウGXも、早く立たねば意味がない。なら、アロキュウアシストのアメ進化ですよね。雷デッキにはデンジくんもいるので、ほとんど適時にグッズを打つことが可能になります。デンリュウGXの上ワザを光らせる「エレキパワー」のサーチも容易なので安定の高火力が期待できます。
また、グッズとしてハイパーボールを持ってこれるということは
ハイパーボール→カプ・テテフGX→ルチア→プリズムスター◇
とアクセスできる、ということですから、サンダーマウンテン◇やカプ・コケコ◇などの雷◇カードへのアクセスも容易になります。どうです?結構強くないですか!?
⑤ マッシブーンGX+ルガルガンGX+アローラキュウコンGX
通称「マッシルガン」なる、マッシブーンGXとルガルガンGXの組み合わせ。ルガゾロにもマウントを取れることで有名な環境デッキです。このデッキに2進化ポケモンはいませんが、なぜここにアローラキュウコンGXが入るのか。「ふしぎなアメ」以外にも、タイムリーに使いたい強力グッズがあったじゃないですか。マッシブーンに代表されるウルトラビーストを強力にアシストするあいつが。
そう、ビーストリングですね。
「相手のサイドが3枚か4枚のとき」という条件にあう適切なタイミングでサーチできるのが弱いはずありません。アローラロコンをうまく場に置いておいて(これも「せせらぎの丘」で綺麗に入るのが美しいところ)、ピンポイントでエネルギーをぶっこ抜いてやりましょう。
また、このデッキでは「カウンターゲイン」が良い仕事をします。丸腰のイワンコも、進化してこれを貼ればそのターンにデスローグGXを使って大ダメージを与えることが可能になります。
ピン挿し採用が自然ながらも、使いどころが制限されているこのカードも、「ふしぎなみちびき」により適時でハンドに持ってくることができます。私も、最初にそのムーブを取られたときにはびっくりしました。
さてさて、5つのデッキを紹介しました。ふしぎなアメ以外にも、それぞれのデッキであわせて引いてきたいグッズが出てくるので、アローラキュウコンGXの存在価値は高いです。今後強力な2進化ポケモンやグッズが出てくるたびに評価が上がるこのカードにまだまだ期待したいです。