【カプ・コケコ◇】プリズムスターまとめました◇SM7a/SM7b/SM8◇【ヒートファクトリー◇】
プリズムスターを軸に、サンムーンレギュ中盤を振り返ろうという当企画。いよいよこれで最後となりました。クライマックスは怒涛の強カード連発です。
⑦“迅雷スパーク”編(SM7a)
ゼラオラGXが目玉の本パック。これ以降のカードプールで重要となるキーカードが何枚も収録された拡張パックでした。
メタモン◇
たねポケモン ◇ 無 HP40 弱点:闘 抵抗力:なし にげる:1
【特性】なんでもしんか
このポケモンは、自分の番に、1進化ポケモンを手札から出して、このポケモンに重ねて進化できる。(最初の自分の番と、このポケモンを場に出した番はのぞく。)
進化に新しいフォームを呼んだこのカード。恐らく最も多く使われたプリズムスターではないでしょうか。1進化を複数本練り込んだデッキにはもちろん、1進化ラインが1本でも5匹目のたねポケモンとしての採用もありました。
とにかく汎用性が高く、ルガルガンGXになったり、ゾロアークGXになったり、マグカルゴになったり、アローラベトベトンになったり、ニューラになったり。使い手に取っては何にでもできる、使われ手にとっては何になるか分からない。
メタモンの「へんしん」というパーソナリティを「進化」というルールで取り込んだカードデザイナーのセンスにも感動します。
サンダーマウンテン◇
スタジアム ◇
おたがいの場の雷ポケモンが使うワザに必要なエネルギーは、それぞれ雷エネルギー1個ぶん少なくなる。このスタジアムは、場に出ているかぎり、おたがいのプレイヤーが手札からグッズまたはサポートを出して使ったとき、その効果を受けない。
ここからスタジアムについてもプリズムスターが導入されました。
◇のスタジアムは、強力な効果を持つことに加え、グッズやサポートの効果ではがすことができないというテキストを有しています。要するにフィールドブロアーで飛ばせないということですね。新しいスタジアムを出して貼りかえるか、最近になって登場した“リセットホール”マーシャドーの特性を使うかしかありません。
よって、一方的に相手に優位なスタジアムを展開させ続けないよう、どんなデッキにも上書き用のスタジアムを入れておこうという思想が生まれました。
そのスタジアム第1号がこのカード。早速こわれていますね笑
このパックが発売された瞬間ではまだそこまで雷強化が図られていませんでしたが、この後、カプ・コケコ◇やピカチュウ&ゼクロムGX、デデンネGXや電磁レーダーなど、怒涛の雷強化が進みました。
そこにいつも添えられていたのがこのサンダーマウンテン◇なのでした。雷ポケモンはサンダーなどもともとから軽いカードも多く、このスタジアムのおかげでエネルギーを使わずにワザを打つこともよくありました。
また、後のピカゼクを印象つけるフレーズ“後1フルドライブ”の成功に大きく寄与したカードでもありました。まさにこれぞプリズムスターと呼べるカードです。
⑧“フェアリーライズ”編(SM7b)
去年の夏に発売された“フェアリーライズ”
XYレギュ最後の1か月に発売されたカード。妖アローラキュウコンGXが革命的な目玉カードでした。
ゼルネアス◇
たねポケモン ◇ 妖 HP160 弱点:鋼 抵抗力:悪 にげる:2
【特性】せいめいのみち
自分の番に、このポケモンがベンチからバトル場に出たとき、1回使える。自分の場のポケモンについているエネルギーを好きなだけ、このポケモンにつけ替える。
【ワザ】妖妖妖 ブライトホーン 160
次の自分の番、このポケモンは「ブライトホーン」が使えない。
当時なかなか適役がいなかった、フェアリータイプのたね非GXアタッカー。すんなりその座を得たのがこのゼルネアス◇。
前にさえ出られればパッと動ける特性と、それに噛みあって打ちやすいブライトホーン。当時流行っていたサーナイトGXデッキの剣客としてよく採用されていました。(ピン挿しのこのカードが初手に来るとだいぶつらいですが)
ライフフォレスト◇
スタジアム ◇
おたがいのプレイヤーは、自分の番ごとに1回、自分の草ポケモン1匹のHPを「60」回復し、特殊状態もすべて回復してよい。このスタジアムは、場に出ているかぎり、おたがいのプレイヤーが手札からグッズまたはサポートを出して使ったとき、その効果を受けない。
プリズムスタースタジアム第2弾は草ポケモンへ恩恵を与えるこのカード。リーフィアGXなどと組み合わせて、耐久型のデッキが考案されていました。後に、セレビィ&フシギバナGXが登場してからはそれに拍車がかかり、一時はかなりの価格で取り引きされていました。60は結構な場合で確定数がずれます。
⑨“超爆インパクト”編(SM8)
2018年9月、SMレギュが施行されての最初の拡張パック。販売前から、“ロストマーチ”が話題になっていたあの弾です。
セレビィ◇
たねポケモン ◇ 草 HP90 弱点:草 抵抗力:なし にげる:1
【ワザ】無 ときのひずみ
自分のベンチの進化しているポケモンを好きなだけ選ぶ。その後、選んだポケモン全員の上から、それぞれ「進化カード」を好きなだけはがして退化させる。はがしたカードは、手札にもどす。
【ワザ】草 やどりぎのたね 20
このポケモンのHPを「20」回復する。
プリズムスターの中でも珍しい、ギミックポケモン。ときわたりポケモンのセレビィらしく、上ワザは自身の場を任意退化させる特殊なテキストだ。使い道としては、進化の瞬間1度だけしか特性が使えないポケモンのフォローでしょう。後の“退化スプレーZ”とは異なり、進化カードは手札に戻すので、ハンドリフレッシュさえ喰らわなければ翌ターンにまた進化が可能です。
ヒートファクトリー◇
スタジアム ◇
おたがいのプレイヤーは、自分の番ごとに1回、自分の手札にある炎エネルギーを、1枚トラッシュしてよい。トラッシュした場合、自分の山札を3枚引く。このスタジアムは、場に出ているかぎり、おたがいのプレイヤーが手札からグッズまたはサポートを出して使ったとき、その効果を受けない。
炎デッキ大幅強化の1枚。ドロサポを使わずとも3枚引けるのはあまりにも強力。同弾収録の“チャージアップ”アーゴヨンとも相性がよく、発売直後であったCL東京大会ではズガドーンアーゴヨンデッキが準優勝に輝きました。その後もマグカルゴGX軸デッキやブースターGXデッキ、そして現代ポケカの最先端であるレシリザwith炎強化トレーナーズで間違いなく採用されています。プリズムスターの中でも高価な1枚です。
ルザミーネ◇
サポート ◇
このカードは、相手のサイドの残り枚数が3枚でなければ使えない。次の相手の番、自分の「ウルトラビースト」全員は、相手のポケモンからワザのダメージを受けない。
やや期間が空いてのサポート枠からの◇登場。使用条件が厳しいが、使えると間違いなくアドが取れる強力効果。いまふと思いついたのが、“スティンガーGX”のアーゴヨンGXはサイドを3枚にする効果でしたね。返しのターンでサイドを奪われなければ、自分の自ターンでルザミーネ◇を使って一気に勝利へ近づけますね。
⑩“ダークオーダー”編(SM8a)
悪強化、雷強化、と言われていた弾です。ともかくこの辺りは雷への投入具合が凄まじかったですね。
カプ・コケコ◇
たねポケモン ◇ 雷 HP130 弱点:闘 抵抗力:鋼 にげる:1
【特性】せんじんのまい
このポケモンがベンチにいるなら、自分の番に1回使える。自分のベンチポケモン2匹に、トラッシュにある雷エネルギーを1枚ずつつける。その後、このカードをロストゾーンに置く。(ついているカードは、すべてトラッシュする。)
【ワザ】雷雷無 マッハボルト 120
サンダーマウンテン◇とともに、雷デッキのお供であるこのカード。黄色の悪魔。パッとネストボールで呼んで、サッと仕事してロストゾーンで勝利への行く末を見守るあいつです。マッハボルトを打っているところは見たことがありません。とにかく雷2枚に化けるのです。
当時流行していたゼラオラレックウザなどを爆強化しました。後に登場するピカチュウ&ゼクロムGXが軸となったデッキについても確実に採用されていて、フルドライブやタッグボルトの速効打ちに貢献しています。かなりやばいカードです。
ブラックマーケット◇
スタジアム ◇
おたがいの悪エネルギーがついている悪ポケモンが、相手のポケモンからワザのダメージを受けてきぜつしたとき、とられるサイドは1枚少なくなる。このスタジアムは、場に出ているかぎり、おたがいのプレイヤーが手札からグッズまたはサポートを出して使ったとき、その効果を受けない。
“ダークオーダー”の悪強化を代表する◇スタジアム。発表されたのはちょうどCL東京大会の夕方のことだったはず。そのときプレイポイント交換の列に並んでいた筆者は、タイムラインを流れるその情報が、周りに並んでいる人一斉に伝わって話題になっていった瞬間をよく覚えています。
悪エネルギーをつけた悪ポケモン、というと地味に条件がきついですが、悪タイプのポケモンが主体のデッキであれば何とでもないですね。当時流行っていた祠コケコドンカラスデッキや、最近になってより評価の進んでいるフーパ主体のデッキなどでも活躍しています。
相手のターンで効果を発揮する受け身系のスタジアムなので、かわされることも多いですが、上手いタイミングで出すと相手をかなり苦しめることになります。
⑪ “GXウルトラシャイニー”編(SM8b)
SM中期の再録カードを中心としたハイクラスパック“GXウルトラシャイニー”
ディアンシー◇やソルガレオ◇など、プリズムスターのカードも一部再録されていました。その中でも2枚の◇新カードが話題となりました。
シェイミ◇
たねポケモン ◇ 草 HP80 弱点:炎 抵抗力:なし にげる:0
【ワザ】草草 フラワーストーム 30×
自分の場のポケモンについている基本エネルギーの数×30ダメージ。
レックウザGXのドラゴンブレイクそっくりの高火力ワザ。要求エネルギーが草タイプなのもあって、実際にレックウザGのデッキに挿しこまれていました。対戦の途中で一度このシェイミを挟んで攻撃できればサイドレースを優位に運ぶことができ、良い働きをしました。逃げエネが0なのも優秀で、もしこのシェイミでスタートしたとしてもすぐに後ろとバトンタッチができるのです。
ワンダーラビリンス◇
スタジアム ◇
おたがいの場のポケモン(妖ポケモンをのぞく)が使うワザに必要なエネルギーは、それぞれ無色エネルギー1個ぶん多くなる。このスタジアムは、場に出ているかぎり、おたがいのプレイヤーが出札からグッズまたはサポートを出して使ったとき、その効果を受けない。
「妖タイプには優れたスタジアムがない」という意見が続いていましたが、そこに一石を投じたカード。妖タイプ以外のポケモンがワザを使うのに必要なエネルギーが増すという妨害カード。受け身のスタジアムなので出すタイミングを考えないといけませんが、うまくいくといい感じで相手の動きをとめることができます。
当時まだギリギリ流行っていたサーナイトGXの追い風になったのはもちろん、その後のエルフーンGXやサーナイト&ニンフィアGXデッキにも必須のカードとなりました。また、妖タイプデッキでなくとも忍ばせておいて、絶妙なタイミングで出して相手の動きだけを止めるというテクニカルな使い方もあります。
この“GXウルトラシャイニー”を最後に、プリズムスターのカードは収録されなくなります。そして、新たなルールロジックとして“タッグチーム”が登場してきたのでした。
まとめをご覧になっていかがだったでしょうか。
カードの種類自体が増えることはなくなりましたがが、今でも強力なカードとして、数々のデッキで使われています。SMレギュを語る上で重要なカード群たちであることを再確認しました。今後の環境にも影響を与えていくことは間違いないでしょう。