【デッキ構築】スタジアムまとめました②~タイプ限定効果編~
前半に引き続き、スタジアムのまとめ。
後半は、効果を受けるものがタイプによって制限されるものを紹介します。実際こちらのものの方が採用される機会も多く、ギミックとして重要なものがほとんどなのではないでしょうか。
◯ 日輪の祭壇
【テキスト】
おたがいの場の炎ポケモンと鋼ポケモン全員の弱点は、すべてなくなる。
【解説】
炎ポケモンと鋼ポケモンについて、その弱点をなくすというシンプルな効果のものです。弱点をなくすトレーナーズとしては他に「弱点保険」が知られていますが、これはポケモンの道具であり、つけているポケモンにしか有効でないこと、またそのポケモンについては原則他の道具を持たせられないことから、なかなか窮屈です。それを解消してくれるのがこのスタジアムなのです。炎ポケモンが主力のデッキについては後述する「ヒートファクトリー◇」が、また鋼ポケモンが主力のデッキについては「テンガン山」がやはり強力なスタジアムになってくるので、こちらの日輪の祭壇は相手を選ぶという意味でややポジションが狭いですが、知っておくべきスタジアムでしょう。
◯ 月輪の祭壇
【テキスト】
超または悪エネルギーがついているおたがいのポケモン全員の、にげるためのエネルギーはそれぞれ2個ぶん少なくなる。
【解説】
超デッキといえば、その昔「次元の谷」が幅を利かせていましたが、レギュレーション変更に伴い今は専らこちらでしょう。特にウルトラネクロズマ(ウルネク)のデッキで採用されます。ワザを打った後のウルネクがカラマネロのサイコリチャージを受けようとベンチに下がるときに、ネクロズマあかつきのつばさGXが特性インベンジョンで前に出ます。そしてまたウルネクにバトンタッチするときに、素で逃げるのであればこのスタジアムが役に立つ、ということです。
その昔は「軽石」という逃げエネを完全になくすグッズがあったのですが、それに代わるものとして今は採用されているようです。その他のデッキであっても、超軸であれば特に採用が見込まれるスタジアムです。(細かいですが、読み方は「がちりん」ですからね。「げつりん」ではありません)
◯ せせらぎの丘
【テキスト】
おたがいのプレイヤーは、自分の番ごとに1回、自分の山札にある水または闘タイプのたねポケモンを1枚、ベンチに出してよい。その場合、山札を切る。
【解説】
これもまた非常によく使われるスタジアムです。「せせらぎます」という独特の宣言のもと「水または闘タイプのたねポケモン」をサーチしてきます。現代ポケカを牽引するマッシブーン、ルガルガンGXの進化元であるイワンコ、とにかく何回も場に出たいゲッコウガラインのケロマツ、戦略の起点となるアローラロコンなどなど。引っ張ってこられるポケモンの強さもさることながら、毎ターン手札を消費することなくポケモンを呼べるのは本当に強いです。自分の山札に該当するポケモンがいないことが分かっていても、この効果を宣言できるので、相手がせせらぎの丘を貼ってきたら、自分も確実にせせらいで、山札を確認しましょう。
そういえば、最新の弾ではスタジアムとしては初となるUR(ウルトラレア。周りが金で修飾されている最レアリティ)でも収録されました。
◯ エーテルパラダイス保護区
【テキスト】
おたがいの草または雷タイプのたねポケモンが、相手のポケモンから受けるワザのダメージは「-30」される。
【解説】
SMパック初期から活躍しているスタジアムです。SMカードが広がり始めた頃、カプ・ブルルGXとラランテスを組み合わせた「ブルルラランテス」なるデッキがそれなりに市民権を得ていました。ブルルの場持ちをよくするためにこのスタジアムが積極採用されていたのです。(「闘魂のまわし」という、たねポケモンのHPを40も上げるグッズもあったので、なかなか凶悪なモンスターが出来上がったわけです。)
今ではさらにゼラオラGXやサンダーなど、雷タイプでも優秀なたねポケモンが環境に入ってきているので、クラシックなテイストながら採用されることが多いです。「-30」が意外と確定数をずらしてきます。
◯ 喰いつくされた原野
【テキスト】
おたがいの悪またはドラゴンタイプのポケモンが使うワザの、相手のバトルポケモンへのダメージは「+10」される。
【解説】
環境にはびこるゾロアークGXのライオットビート。非GXにはこだわりハチマキが作用しないので120がデフォルトの最高打点になります。しかし、ホワイトキュレムやアーゴヨンなどの、これまた環境に来ている非GXポケモンはHP130でワンパンできるものが多く、120か130は大きな割れ目なのです。それを越えてくれるのがこの原野です。現状、ドラゴンタイプにポジティブに作用する唯一のスタジアムでもあります。
◯ テンガン山
【テキスト】
おたがいのプレイヤーは、自分の番ごとに1回、自分のトラッシュにある鋼エネルギーを2枚、相手に見せてから、手札に加えてよい。
【解説】
分かりやすいのは、「ゴールドラッシュ」のアローラダグトリオとのコンビでしょうか。しかし、鋼タイプでエネルギーをトラッシュして大技を打つポケモンは他にも多く、ソルガレオGXやネクロズマたそがれのたてがみGXなどと一緒に、ジバコイルを添えて使う形が一般的です。拾った鋼エネルギーはポケモンに貼って使うのはもちろんのこと、ハイパーボールなどのコストにもなり得るので意外と汎用性が高いです。
◯ ウルトラスペース
【テキスト】
おたがいのプレイヤーは、自分の番ごとに1回、自分の山札にある「ウルトラビースト」を1枚、相手に見せてから、手札に加えてよい。その場合、山札を切る。
【解説】
トレーナーズにより様々な恩恵を受けられているウルトラビースト(UB)。このウルトラスペースもそうで、UBなら何でも持ってくることができます。ズガドーンアーゴヨンなどUBが軸となる環境デッキは多く、このカードがよく採用されます。これもまた「せせらぎの丘」同様、該当カードがないことが分かっていても山札を見ることができるので、相手に使われたらちゃんと宣言して、サイド落ち確認がてら相手をびびらせましょう。
さて、続いては◇(プリズムスター)のスタジアムです。これらはみな「このスタジアムは、場に出ているかぎり、おたがいのプレイヤーが手札からグッズまたはサポートを出して使ったとき、その効果を受けない。」というテキストがあり、場から離すには新たなスタジアムを貼るしか方法がないことが共通の性質としてあります。また、デッキに1枚しか入れられないという制限があるため、どれも強力な効果を持っています。よって、どんなデッキであっても、相手にスタジアムで極端にアドバンテージを持って行かれないよう、剥がせるように自分もスタジアムを入れておく、というのが基本スタンスとなりました。(もちろん必須の要件ではないですが。)
◯ ライフフォレスト◇
【テキスト】
おたがいのプレイヤーは、自分の番ごとに1回、自分の草ポケモン1匹のHPを「60」回復し、特殊状態もすべて回復してよい。このスタジアムは、場に出ているかぎり、おたがいのプレイヤーが手札からグッズまたはサポートを出して使ったとき、その効果を受けない。
【解説】
「草ポケモン1匹限定」という制限はつきますが、HP60回復はかなり大きい。草で回復と言えばリーフィアGXであり、耐久型のデッキを構築するのに堪えるテキストであります。
◯ ヒートファクトリー◇
【テキスト】
おたがいのプレイヤーは、自分の番ごとに1回、自分の手札にある炎エネルギーを、1枚トラッシュしてよい。トラッシュした場合、山札を3枚引く。このスタジアムは、場に出ているかぎり、おたがいのプレイヤーが手札からグッズまたはサポートを出して使ったとき、その効果を受けない。
【解説】
サポートに頼らず3枚ドローができる驚異のカード。炎エネルギーをトラッシュすることがそのままデッキの潤滑油となるズガドーンアーゴヨンや、火力が上がっていくビクティニ◇デッキでは特に強力。
◯ サンダーマウンテン◇
【テキスト】
おたがいの雷ポケモンが使うワザに必要なエネルギーは、それぞれ雷エネルギー1個ぶん少なくなる。このスタジアムは、場に出ているかぎり、おたがいのプレイヤーが手札からグッズまたはサポートを出して使ったとき、その効果を受けない。
【解説】
SMレギュにおける雷プッシュを象徴するカード。サンダーやゼラオラGXなど、もとから身軽なポケモンがさらに軽くなり、思った以上の速攻を仕掛けてくる。雷デッキが相手なら、ロストゾーンに置かれるまでは任意のタイミングでこのスタジアムを貼ってくると思いながらプレイしなければならない。
◯ ブラックマーケット◇
【テキスト】
おたがいの悪エネルギーをつけている悪ポケモンが、相手のポケモンからワザのダメージを受けてきぜつしたとき、とられるサイドは1枚少なくなる。このスタジアムは、場に出ているかぎり、おたがいのプレイヤーが手札からグッズまたはサポートを出して使ったとき、その効果を受けない。
【解説】
CL東京当日に発表され、サイドイベントやプロモ引換ブースの待機列で瞬く間に話題になっていたカード。実戦では、悪エネルギーのついた悪ポケモンということで対象がかなり限定的な分、使うデッキを選びます。相手のターンに効力を発揮するので、貼るタイミングも重要ですが、しっかり効果のはたらくデッキで適時に打てば相手にとってかなりの負担になります。マニューラやドンカラスが主軸のデッキが一番あり得るでしょうか。
◯ ワンダーラビリンス◇
【テキスト】
おたがいの場のポケモン(フェアリーポケモンはのぞく)が使うワザに必要なエネルギーは、それぞれ無色エネルギー1個ぶん多くなる。このスタジアムは、場に出ているかぎり、おたがいのプレイヤーが手札からグッズまたはサポートを出して使ったとき、その効果を受けない。
【解説】
SMレギュレーションになって、フェアリータイプと相性のよいスタジアムがないところでしたが、GXウルトラシャイニーにて満を持して登場したこのカード。単に相手の攻撃を遅らせるだけでなく、フェアリータイプと言えば大御所のこいつがいますから。
うまいタイミングで貼れば効果著しいですよね。
さてさて。
長々と書き連ねていきましたが、いかがでしたでしょうか。
特にプリズムスターのスタジアムは厄介ですよね。新弾のタッグボルトにはプリズムスターが1枚も収録されておらず、新たな波はきていませんが、今後すべてのタイプにおいて◇スタジアムが出てくるとデッキにより個性が出て楽しそうですよね!
60枚のうちの少なくはない枠を持っていくことになるスタジアムですが、これもポケカのゲーム性をより深めている側面だと思います。今後も注意して見ていきたいですね!