CL京都 環境大観
新元号が発表され、ジージーエンドも発売され。
CL京都までのカードプールが出揃いました。このチャンピオンズリーグが平成最後の大型大会になります。
ポケカ全体の市場としては、前々回の新潟、前回の千葉のときに比べて少し落ち着いた感じにはなっていますが、競技層の熱は決して冷めていないことが容易に想像できるTwitterのタイムライン。恒例の環境相関図が幾つか出てきて、そこで議論が巻き起こったり、プレイヤーたちが使用デッキを最後の最後まで迷ったり、という安定の流れが来ているCL週。当日はきっとまた、新手のデッキタイプが頭角を現し、盛り上がるところまで見えている、と言った感じでしょうか。
今回の環境読みはかなり難しいのではないでしょうか。
タッグボルト以降、前回の千葉大会に向かっては、TAG TEAMという新ルール項目導入のもと、ピカゼクが猛威を振るっていました。それが一角を担うジラサン、ウルネクの三角構造であったとはいえ、まさに環境の中心にいたことは否めない構図でありました。ただ、それが災いをなして、対策に対策が組まれ、最上位クラスには影も残せない結果であったことも印象的でありました。
今回、そのような環境コアに位置しているのはレシリザでしょう。
ピカゼク同様TAG TEAMであり、やりすぎと叫ばれていた雷強化を思い起こさせる炎強化をひっさげての登場となりました。ジムバトル優勝実績も多々あり、デッキ単体としての力はこれまでのTier1デッキ群の中でも強力と言えるでしょう。
しかし、それだけでは簡単に勝ち上がれないのがポケカでありCLであります。炎強化の背景のもと、さらに非GXズガドーンやブースターGX軸、ウインディバクガメスなども台頭してきました。
その炎勢に刃向う形として上がってきたのがこのカード。
トリプル加速エネルギー+デュアルブリザードが強力な水ポケモン非GX“ジュゴン”であります。序盤からテンポをとっていくジラサンが強かったのと似たような形で進化元たねポケモンを刈っていき、さらには後のダメージレースでGX、TAGTEAMも見れる60創出マシーン。必殺のデッキエンジンであるゾロアークGXとニコタマ、トリプル加速エネルギーを共有できる強さ、そしてさらにペルシアンGXとの相性の良さも相まって、無視できない一角となっています。
筆者としては、本命に対する対抗馬として、また様々なデッキタイプに対応できる柔軟さを持っているものとして、このゾロペルジュゴンを有力視しています。
また、このジュゴンが力を持っているので、60,70圏内のたねを進化元にもつ2進化軸のデッキはなかなか苦しいのではないかなとも予想しています。
レシリザに対するキラータイプであるこのデッキに対して、既存のピカゼク、ウルネク、ジラサンが平成を最後まで走りぬくのか。それともやはりそこは新デッキタイプがかっさらっていくのか。
そして、今環境に新たに加わった要ケアカードとして注目を浴びているのがこのカード。
これまたジージーエンド収録の“リセットスタンプ”ですね。このカードを使いやすいデッキ、使われてもリカバリーができるデッキ、使われるのを警戒しないといけないデッキ等々、大きな影響を与えています。
主要なタイプとしては、デンジにより任意のタイミングで持ってこれるピカゼク系、ブルーの探索が生かせるレシリザ系はうまく運用できそうです。
タッグチームの中でも、レシリザ以外にサナニンフがまだ力を持ってきていたり、ガブリアスギラティナが意外と無視できなかったりと、一強が言えない時代。
前回の千葉大会はタッグチーム vs GX vs 非GXで、それぞれの代表がおよそ1,2本で予想されていた三国志であったのに対し、今回はさらにその中でも力を持っているデッキがよりたくさん存在する戦国時代になっています。
そしてさらに、先にも述べましたが、環境上位のデッキの隙間から這い出るように、少数ながらも強力なマイナーデッキが出てくるのも最近の大型大会ではつきものです。前回はアンノーンHANDやラフレシアロックが一世を風靡しました。この不透明さがTCGの中でもポケカが持つ独特の面白さであります。
今回は天才たちがどんなデッキを作り出してくるのか。予測不能なCLがそこにある!!